WinMXの公式リダイレクトサーバーが停止したため、WinMXを使うことが出来ない状態になっています。ですが、接続することができるようになったようです。これまでの経緯等などは知らなくても良いという方は当ページ の「1.簡単に接続できるようにする方法」もしくは一番下をご覧下さい 。復活したという結果のみしか知らないことは恐ろしいことだと考えているのでダラダラと書いてありますが、お時間が許せばお読み下さい。雑然としてきましたので時間を見つけてページ内容・構成を分かりやすく整理するつもりです 。なお、最新の情報はWinMX Worldに載りますので、英語のできる方はそちらをチェックされても良いと思います。最終更新日時: 2005/09/29 14:20 +0900
繋がらない原因
ネームサーバーから「winmx.com」の登録が消されているか、もしくはネームサーバーが落ちているような気がします。
そもそもネームサーバーというのは、分かりやすく喩えれば携帯電話のメモリダイヤルです。本来は、インターネットに繋がっているパソコンにはIPアドレス(電話番号みたいなもの
でネット上で重複しない番号)が割り当てられています。ですが、IPアドレスは192.168.0.1(電話番号で言えば、03-abcd-wxyz)などのように、本来は分かりづらいものです。そこで、ネームサーバー(メモリダイヤル)を使って、分かりやすいものに置き換えてあげるわけです。
・"64.246.15.43"→"frontcode.com"
・"03-abcd-wxyz"→田中さん
などのように考えていただければ分かりやすいでしょうか(逆に混乱する?)。
矢印の後ろの方(winmx.comなどの登録した名前)が消えてしまったので、本来のIPアドレスが分からなくなってしまい、接続できなくなったという可能性があります。ネームサーバー自体も落ちているのかも知れません。単に間違えて電源を切ってしまったとかそのような理由ではないような気がします。
ちなみに、2005.09.22 10:00(GMT +9:00)現在で、frontcode.com(WinMXの運営母体)のサイト自体の名前解決はできます。が、ファイル自体は消されているようです。これは意図的な物のような気がします。
図の説明
かなりおおざっぱな図ですが、右図がインターネット上の他のパソコンにアクセスする際に行われるプロセスです。
つまり、ネームサーバーに障害が発生するか、ネームサーバー上から登録が消されていれば、IPアドレスを通知することが出来ず、ページが表示・接続できなくなります。
背景には?
グロックスター判決というものがあるようです。RIAA、PtoP企業7社に抗議文を送付--グロックスター判決を背景に強気の構え(CNET
JAPAN 2005.09.16)
話を要約すると、「違法行為を助長すると認識していながら、検索フィルターなどの対策を取らず、ユーザーに違法行為を継続させてきたため」とのようです。上記ニュース本文中には、「Wall
Street Journalの記事にはBearShare、WinMX、LimeWireに抗議文が送付されたと書かれている。」とありますので、抗議文を受けて、一旦サービスの提供を見合わせたという可能性もあります。
いま、MXに繋がっているという報告がありますが?
WinMXのサーバーは、リダイレクト処理(振り分け処理)のみを担当し、実質的な検索などは、各個人のパソコン(親接続)が、蜘蛛の巣状にネットワークを張り巡らし、行っています。
一旦他のパソコンに繋がってしまえば、自分でネットワークから切断するか、相手が接続を切るかするまで接続は保持されます。
WinMXのネットワーク(リダイレクトサーバー)が落ちていれば、蜘蛛の巣状のネットワークまでたどり着くことが出来ません。そこで、
他のパソコンに接続することができなくなり、検索などができなくなるわけです。
かなり簡易的な図ですが、右の図を見ていただければ仕組みは分かると思います。つまり、@の時点でアクセスが許可されなければ親サーバーのIPアドレスを通知して貰えないため、接続することが出来ません。これはチケット売り場の仕組みに似ていて、普段はチケットを買いに行けばチケットを売って貰えて会場へ入ることが出来ますが、チケット売り場が閉まっている状態では、会場へ入ることが出来ません。言い換えれば、リダイレクトサーバーにIPアドレスを教えてもらいに行ったらリダイレクトサーバーにアクセスできず、どのパソコンに繋げばいいか分からない状態と言えます。(言い換えればこれは、リダイレクト処理ができるソフトウェア
・代替するサーバーがあり、MX側からそこにアクセスすることが出来ればネットワークに参加することができることを意味します。)
いま、私たちはどうすればいいの?
私の個人的な憶測ですが、WinMX内部で何かがあったことは確実です。今後、公式にアナウンスがあるかもしれないのでじっくり待つしかなさそうです。
停止したサーバーを立ち上げることは簡単ですが、そうもいきません。これは私見ですが、サービスを再開するためには著作権フィルター機能の実装などが必要です。私は、機能が備わるまで復旧は難しいのではないかと推測しています。
WinMX運営元自体が法整備が甘い地域へ逃げるという方法もありますが、単なる一時的な逃げであり、根本的な解決になるとは思えません。
今後について結局のところ、開発元が沈黙を続けているので想像するしかありません。
今後の予想
これはあくまでも私見ですが、今後の予想を書いておきます。
Napster社はサービス停止命令の後、フィルタリング技術などにより違法ファイルの共有を阻止しようとしましたが、アーティスト名の略称などを設定すればフィルターをすり抜ける物もあり(THE
YELLOW
MONKEY→イエモンやイ工モソのようなもの?)、不備があるとレコード会社から指摘を受けました。過去にフィルタリング技術の不備があったことは分かっているので、フィルタリング技術を組み込んでサービスを早急に再開するということは難しそうです(さらに、WinMXでは共有ファイルの登録・検索を親サーバーという自社外のパソコンで提供しているため、ソフト自体のアップグレードが必要になり、フィルタリング技術の導入でFrontcode社自体への負荷も増えると予想される)
さらに、最近はiTunes Music
Storeが日本でもサービスを開始したように、「音楽は落とすものではなく買うものである」という流れが強くなってきています。なので、これは最悪の事態ですが、このままサービスを再開しない可能性もあります。いずれにせよ、復旧には「著作権保護機能を備えたクライアントソフトの開発」が必須でしょう。
また、法整備の甘い国へサービスの拠点を移すという方法もありますが、RIAAへきちんとした回答をしたことにはならないので可能性としては低いと考えています。
Napster社について
NapsterはP2Pの元祖的存在と言えるもので、自社でファイル共有サーバーを管理し、サービスの提供を行っていました。ですが、サーバーが自身の管理下にあるにもかかわらず、ユーザーが違法行為を行っていることを黙認していたとして提訴され、音響指紋技術やフィルタリング技術を導入したものの、結局はサービスを停止しました。
今は有料音楽配信サービスへと切り替わり、日本でも2006年の4月にサービスを開始する予定です。
米レコード協会の動きについて
私は今回の出来事を、米レコード協会がWinMXに対して書簡を送り、その結果を受け止めてWinMX自身がサービスを停止したものと推測していますが、それに関するウォールストリートジャーナル紙の記事の要点を簡単にまとめてみます(全訳はさすがに…)。
・米レコード協会はBearShare, LimeWireおよびWinMXに対してユーザーが著作物を交換することを停止するように求める書簡を送った。
・書簡には、「RIAA所属アーティストの楽曲の違法交換をただちに停止するよう求める」という内容が書いてある。
・米最高裁のGrokster裁判により、RIAAはファイル共有ソフト開発元にも責任があることを認識した。
・それを受けてRIAAはGroksterに似た他のファイル共有サービス提供会社責任を追及するため書簡を送った。
・書簡は、「ソフトウェア変更によるフィルタリング機能の搭載」、「著作権管理団体への著作権使用料支払い」を求めるような内容。
・この書簡を受け取ったファイル共有サービス提供会社は、「サービスの停止」か「法廷でRIAAと戦うこと」を要求された。
のような感じです。適当に訳したので内容はアテにはなりません。
やはり最後の箇条書きの内容が気になります。RIAAと戦うことは違法交換の実態を認知していたかなどの証拠の有無や、どれだけの損害を与えたかと言うことが問われると考えられるためリスクが大きいですし、サービスの停止が一番簡単です。後にどうなるか分からないとは言え、逃げ道はできます。WinMX公式から何のアナウンスもありませんし、今後が気になります。
ファイル共有ソフトと司法判断
私はここ一年ほどP2Pからは遠ざかっていましたが、過去のニュースから判断する司法判断は「開発元によるソフトの配布は自由、ただしユーザーが悪用した場合はユーザー自身に責任を負わせる」というものであると思います。ただし、「開発元が運営する中央サーバーでユーザーのログイン・ファイルの共有・転送」を管理している場合は法に触れる可能性が高いです。Napsterやファイルローグなどがその代表といえますが、「自分の庭で犯罪を行わせておいて、知らないとは言わせないぞ!!」ということが司法当局の主張です。ただ、その流れもWinny開発者の逮捕に見られるように、「確信犯的な意図を持ち、ソフトウェアの開発・配布を行った場合は法に触れる」という流れには変わってきています。今回のWinMXサービスの一時停止も、RIAAが「違法行為を認識していたにもかかわらず開発元が何の対策も取らなかった」ということと、「中央のリダイレクトサーバーに依存しているため、リダイレクトが止まれば多くの違法行為を止めることができる」と判断したためと考えられます。私のようにチャットルーム使用がメインの人には迷惑な話ですが、仕方ないのでしょうか。。
P2Pの未来について(完全な独り言です)
P2Pの今後を予想することは、競馬予想のようにアテになりませんが私なりの意見を書いておきます。
P2Pの仕組み自体はなくならないと思います。概念として「分散型のネットワークシステムを構築する」ということがあるので、ブロードバンドが普及した昨今には欠かせません。サービス運営側がサーバーを構築する場合、どうしてもピーク時に備えてサーバーを設計する必要があります。そして、一般に、インターネットのトラフィックが集中する時間帯にはバラツキがあります。主婦の方がアクセスする時間帯、帰宅した学生がアクセスする時間帯、疲れて帰ってきたお父さんがアクセスする時間帯というように、アクセスする時間帯も、必要とするサービスも異なります。
そこで、私は「セキュアな環境を装備した企業間でのP2P」が行われるようになるのではないかと考えています。どうしても個人のパソコン上にファイルがあると暗号が解除されるなどの心配があります。そこで、実際のファイルは個人のパソコンには置かないと考えています。例を挙げれば、サイトごとに負荷が高い時間帯が違うと考え、娘さんがアクセスする時間帯は学校の放課後、もしくは帰宅後の比較的早い時間帯とします。その時間は夕方から夜に掛けて集中すると考えて、その時はお母さんは家事、お父さんは仕事中か帰宅途中と親がアクセスするサーバーは比較的余力があります。その余力のあるサーバーに娘さんが必要とするコンテンツのコピーを置いておき、協力して転送するという方法が有効であると考えます。同時に、10時のおやつの時間にはお父さん、娘さんが要求するようなコンテンツが置いてあるサーバーは余力があると考え、お母さんのために有効活用、深夜は娘さんとお母さんが要求するサーバーはお父さんのために有効活用というようにです。今後さらなる回線の高速化が進み、ネットの動画配信にハイビジョン並の画質が求められれば、企業としては1Gbps程度の回線が必要になると考えるとこのように協力する仕組みがなければやっていけません。有料コンテンツであれば、ピーク時の負荷に耐えなければユーザーからのクレームが殺到します。無料であれば画質を落として転送されても仕方ないな…ということになると思いますが。
個人のパソコンでP2Pが生き残るかと言えば、チャットや1対1のファイル転送など、その程度のような気がします。サービス提供会社が地域通貨のような感じで、リソースを割いてくれたパソコンのユーザーに対しポイントを発行などというものは考えても良いですが、コピーされたファイルがクラックされるなどの心配があるため完全なコピーは置けないと思います。となると適当に区切ったファイルを置いておくということになりますか。どうも私も今後の予想がつきません。P2Pに未来はあると思いますが、現状では茨(いばら)の道です。茨を越えると花畑があるかも知れませんし、何もないかも知れません。要するによく分からないと言うことです(だから冒頭で競馬予想のようにアテにならないと書いたのです)。
関連リンク
・Grokster訴訟について[事の発端]
米連邦地裁がファイル交換ソフトの違法性を否定(2003.04.28 インプレス INTERNET
Watch)
米最高裁、P2P企業のGroksterらに著作権侵害の責任追求を認める逆転判決(2005.06.26
インプレス INTERNET Watch)
米最高裁、P2P企業の法的責任認める逆転判決(2005.06.28 ITMedia News)
・RIAAからの警告状について
RIAA、P2P企業7社に停止要求通知を送付(2005.09.16 ITMedia News)
RIAA、PtoP企業7社に抗議文を送付--グロックスター判決を背景に強気の構え(CNET
JAPAN 2005.09.16)
File-Sharing
Firms Are Urged To Protect Music-Industry Rights(WSJ.com
2005.09.15)
・WinMX停止に関して
訴訟の影響受け、WinMXなどP2Pサイトが閉鎖(2005.09.22 ITMedia News[原文:ロイター通信])
米国の人気ファイル交換サイトの閉鎖相次ぐ(2005.09.22 ロイター通信)
・Napsterに関して[過去に著作権違反で訴えら、停止に追い込まれた企業]
Napsterでシステム障害、ファイル交換サービスが一時停止(2001.07.13
インプレス INTERNET Watch)
米Napsterの共有ファイル数が60%減、ユーザーはOpenNapに移行〜米調査(2001.03.16
インプレス INTERNET Watch)
米Napsterが米Gracenoteと提携、著作物のフィルタリングシステムを強化(2001.03.14
インプレス INTERNET Watch)
米ナップスターが楽曲フィルタ・システムを強化,CDデータベース企業と提携:IT
Pro(2001.03.14 日経BP IT Pro)
米レコード協会、米Napsterにフィルタリングを強化するよう要請(2001.03.28
インプレス INTERNET Watch)
Napster(Wikipedia)
・その他
オランダ最高裁、Kazaaの配布行為を合法と認める(2003.12.24
インプレス INTERNET Watch)
P2Pに著作権侵害の責任なし――ファイル交換企業、再度の勝利(2005.06.28 ITMedia News)
「Kazaa利用者は著作権を侵害」、豪裁判所が判決(2005.09.05 ITMedia News)
Kazaa側がオーストラリア連邦裁で敗訴、著作権侵害の認定(2005.09.06
インプレス INTERNET Watch)